こんにちは、お久しぶりです。
いつもながら変なタイトルですみません。
もし子ども時代の自分に会いに行けるなら、あなたは何と声をかけますか?
色々言っておきたいことはありますが、私だったら真っ先に「ゲップの練習すな!」と伝えたいです。
小学校低学年当時、今よりもっと地声が高かった私は ある日ゲップの可能性に気付きました。
「めっちゃ低くておもろい声出る…」
もちろんゲップは声ではなく現象に近いものなので、自在に操ることなどできません。
タイミングも高さも長さでさえも予測不能な不思議現象、それがゲップです。
しかし鼻たれキッズだった私は、畏れ多くもこの不思議現象を我が物にしたいと考えてしまいました。愚かしいことです。
「この地鳴りみたいな声を身に着けたら、ハードボイルド俳優みたいになれるかもしれない!」
なれるわけないだろ。
悔やむべくは、この時点で誰か大人に相談しておけばよかったということ。
絶対止めてくれたはずです。でも、しなかった。
私はゲップを闇の魔術的なものと思っていたので、来る日も子ども部屋で闇練習に励む日々を送りました。
で、ある程度ゲップを自由に出せるようになりました。
だからといってメリットは何もありませんが、本当に練習したの?と疑問に思う方もいらっしゃるでしょうし私が発見したゲップの出し方をここに記します。
①あくびの要領で半端に口を開ける
②半端口(はんぱこう)の空気を上あごと喉の力で、「首の付け根(イメージです)」くらいまで押し込む
③身体がびっくりしてゲップを出す
④テッテレー 大成功
百歩譲ってこれだけなら小学生のかわいい自由研究で済みますが、これに味を占めた私はあろうことか「連射」に挑んでしまったのです。
果たして自分は何連発いけるのか、己の限界を知りたいと心から願い、そして挑戦の日々が始まりました。
多少手遅れでも、ここで大人に相談しておけばよかった。
必ずや止めてくれたことでしょう。でも、やっぱりしなかった。
闇の魔術師への道を粛々と歩んでしまったのです。
半年間の鍛錬を経て、私はついに「ゲップ30連射」のアビリティをゲットしました。
その達成感たるや、流行りのシール帳をぷっくりシール・タイルシール・キラキラシールで埋めたときくらい凄かったです。
しかし先述した通り、連射ゲップはほとんど闇の魔術です。
闇の魔術がなぜ禁忌とされているかご存じでしょうか。
そうです、代償が甚大なのです。
私の身体は、ゲップの依り代と化してしまいました。
生理的なゲップが一度出ようものなら、もう止まりません。
しゃっくりみたいなものです。
ヒック↑ゲー↓ ヒック↑ゲー↓
だいたい2,3分はシャトルランのように鳴り続けます。
たまにビブラートもかかります。響かせたくないのに。
もうやめてくれ、こんなこと望んじゃいない!
大人に近付くにつれ、悔恨の念は強くなります。
それでも確実に呪いは刻まれているのです。
もし画面の前のあなたといつか私がどこかで出会うとして、会話の途中あるいは食事中に私が「あ、ちょっとすみません」と数分席を立つことがあるかもしれません。
そのとききっと私は、この身の宿命と闘っていることでしょう。
今朝ほど、出勤前に立ち寄ったコンビニで少年が母親に「オレ、すげえゲップ出せる!」と告げている現場に出くわしました。
「ばかたれ」と一蹴されていました。
いいお母さんだなと心から思いました。
今は炭酸水を飲みながらこの記事を書いています。
少年よ、ゲップの練習はやめとけ。